ブログのネタを探して、自分のログを掘った
新しい MacBook Pro が届いた日、開発環境のセットアップをほとんど AI に任せました。ghostty を入れて、fish に切り替えて、Neovim が壊れて、直して。
雑に進めたので記録を残していません。後になって「あのやり取り自体が記事になったのに」と悔やんでいたのですが、ログは残っていました。 それも完全な形で。
そして掘り出したログを数えてみたら、自分が思っていたのとだいぶ違う数字が出てきました。
ログはどこにあるか
Claude Code は会話を JSONL で保存しています。
~/.claude/projects/<作業ディレクトリのパスをハイフンにしたもの>/<uuid>.jsonlホームディレクトリで作業していたなら ~/.claude/projects/-Users-<username>/ です。1セッションが1ファイル。日付で探すならこう。
find ~/.claude/projects -name "*.jsonl" -newermt "2026-09-14" ! -newermt "2026-09-15"中身は1行1イベントの JSON です。自分の発言、AI の応答、実行したコマンド、その実行結果まで全部入っています。1セッションで 1.4MB ありました。
そのままでは読めないので、発言とコマンドだけ抜き出すスクリプトを書いて整形しました。
数えた結果
9/14 の2セッション、合計3時間弱。結果がこれです。
| 自分の発言 | 32回 / 1,014文字 |
| AI のツール実行 | 69回 |
原稿用紙2枚半です。この2枚半で、新品の Mac に Homebrew が入り、ghostty と fish と Neovim と lazygit が入り、デフォルトシェルが変わり、壊れたビルド環境が直っています。
全部載せます
片方のセッション(13発言・392文字)は、全文を貼れてしまう短さでした。
1. [スクショ] このような感じでnvimがlazyvimを使えてないかもしれないです。
まず、nvim .じゃなくて、vim .とエイリアスを設定してください。
2. [スクショ] この問題を解決できますか?
3. え、どういうことですか?
4. さっき、ダウンロードしたかもしれない
5. はい、実行してください
6. 削除した、確認して
7. OKだと思います。エラーが出なくなりました。
8. confyUIをインストールしたいです。shell版がいいです。
起動したらそのurlを貼り付けるとブラウザでみれるというやつ。
インストール場所がどこがいいかがわかってないです。
9. fishようの z をインストールして下さい。
10. macのキーボードを押しっぱなしで再入力のスピードアップを設定したいです。
11. いいえ、単にスピードが遅いので、カーソルの上下度か。
12. 最速の一つ手前に設定してもらえますか?
13. 今のままだとスピードが変わらなくないですか「confyUI」と打ち間違えていますし、11番は文章になっていません。それでも通じています。
事件は72文字で決着していた
この13発言のうち、3番から7番までの5つ。合計72文字。
3. え、どういうことですか? (12文字)
4. さっき、ダウンロードしたかもしれない (18文字)
5. はい、実行してください (11文字)
6. 削除した、確認して (9文字)
7. OKだと思います。エラーが出なくなりました。 (22文字)この72文字の裏で何が起きていたかというと、Neovim の tree-sitter がビルドできない問題の原因究明です。真犯人は Command Line Tools に紛れ込んでいた次期OS向けのベータSDKで、そのせいで Mac 上の C コンパイルが全滅していました(詳細は別記事に書きました)。
自力なら半日は溶けていた種類の問題です。それが72文字。
ただし、4番だけは自分にしか出せなかった
面白いのはここです。
さっき、ダウンロードしたかもしれない
18文字。この一言が無ければ解決していません。
原因の在り処まではAIが調べ切りましたが、「なぜ次期OSのSDKがこのマシンに居るのか」はインストール履歴を追っても出てきませんでした。新品の Mac が来て浮かれて、あちこちから何か入れたという記憶は、本人の頭の中にしかない。
1,014文字のうち、本当に自分にしか打てなかったのは、たぶんこの18文字だけです。残りは「はい、実行してください」でした。
何が残って、何が消えるか
ログを掘っていて気づいたことがもう一つあります。
テキストは完全に残ります。 発言もコマンドもその実行結果も。一方で、貼り付けたスクリーンショットは消えます。 画像は ~/.claude/image-cache/<セッションID>/ に置かれますが、古いセッションのものは残っていませんでした。
9/14 に貼った4枚のターミナル画面は、もうありません。「no changes made」という一見失敗に見える出力をAIが「成功しています」と読み解いた場面など、画で見せたかったものが失われています。
スクショを記事に使う可能性があるなら、貼る前に自分で保存しておく必要があります。 これは今回の一番実用的な教訓でした。
で、自分は何をしていたのか
数字を見た直後は、正直ちょっと笑ってしまいました。1,014文字。「はい、実行してください」の人。
ただ、書き出してみると見え方が変わります。32回の発言のうち、判断を求められて答えているものが大半でした。消していいか、進めていいか、直ったかどうか。AIが自分で決められないことが、きれいに自分のところへ回ってきている。
そして一番効いた18文字は、調べれば分かることではなく、自分しか知らないことでした。
役割分担としては、たぶん正しい。打鍵数が少ないことを恥じる必要はないのだと思います。ただ、それを記録に残しておかないと後から何も語れなくなるというのが、今回いちばん身に沁みたところでした。ログを漁って気づけたのは運が良かっただけです。
あなたの ~/.claude/projects/ にも、たぶん同じものが眠っています。一度数えてみると面白いですよ。

